活動紹介

 

 

     

11月2日 星誕音楽堂で龍星コンサート 
(筝)三津乃さんとのふたりでの初コンサート。篠笛との響きあいは、やさしく華やいだものになりました。大阪・星田町は天の川伝説があったり、星にまつわる地名が多く、星降る町と呼ばれています。そんなことから、星をテーマにしたいと考え、伝説の神獣 と結びつけて“龍星”というタイトルをつけました。龍が星空を翔けめぐる様をイメージしたり、遥か彼方で光る龍星という星をイメージしたり・・・ぼんやりとしたイメージから創っていったのですが、きらびやかに光る星団ではなくて、遠くで凛と輝く星、孤独だけど強さが感じられるそんな星に魅かれました。君島真珠さんにフライヤーの“龍星”の書を書いていただきました。その書を見て、イメージが更に膨らんでいきました。そして「龍星」というソロ曲を創りました。創ったはいいが、非常に難しい曲になってしまい、私にとっては挑戦にあたる重たく広大な曲になったのです。
  音楽堂は笛も筝も非常に繊細に響くホールでした。ですから、聴衆も演者も心地よい妙音に身を委ねて夢うつつという状態だったかな。ライブ、そこでの響きは、音を奏でた瞬間に余韻を残して消え去ってしまう。このまま妙音の中で満たされていたいのに、幻だったかのように・・・まるで星の輝きのようだなあ、なんて思いました。(今見えている星の輝きはすでに過去のもの)三津乃さんとの響演は、そんな一瞬の幻のはかなさみたいなものを感じました。今回、実行委員会の皆さんにお世話してもらい、コンサートが実現できたのですが、また必ずこの共演をしたい!!と強く心に刻みました。何より皆さんが満足そうにお帰りになったこと、喜びもひとしおです。コンサート後も幸福感にしばらく包まれるくらいでした。皆さんに感謝、感謝です。                                           
      

 

 


 

 

10 月 4 日 (土) 兵庫県養父町 民俗資料館
    
〜観月のゆうべ〜
   ♪♪
養父町・ 篠笛コンサート♪♪ 


                                   観月の夕べ     photo. 竹屋 一

 いにしへの養父町の巻 
 
先週、観月の夕べ・養父町公演に招かれて行ってきました。
その日は、すがすがしい日だったのですが、お日さんが大地を強く照らしたかと思うと風が吹いて肌寒くなるような秋の空でした。養父町には昼入りして、マップを手に養父町めぐりをしました。まわりの山のかたちがそれぞれ美しくて、神さまが住んでいるかもしれない、と思わせるほどでした。まず行ったのが古代村。ここは巨大奇岩と洞穴遺跡(祭祀遺跡であると確認されている)が 山の奥にあり、登山コースになっています。私はそこまでは時間がなくて行けませんでしたが、下のキャンプひろばや再現された古代住居をのぞいたりしました。そして広場からエボシ岩を眺めて笛を吹いて、ゆったりとした時間の流れを楽しみました。そのエボシ岩はまるで鳳凰が飛来しそうなキラキラとした場所に見えました。まわりの山はみな神々しくて、古代の人がこの地に住んだ理由なんかを考えると面白くなってきます。こんな山奥では狩猟が主だったのかな、とか山の向こうとは交流があったのかな、とか村の長には卑弥呼みたいな神がかった人もいたのかな、どんな祭りが行われてどのような祈りが捧げられたのか、なんて・・・
  笛を吹いた直後、タイミング良く曇っていた空がにわかに晴れ渡り、温かい日差しをもたらしました。うん、やっぱり私にも雲を動かす力があるのかな?(笑)
そして日光、月光菩薩立像を見に神光寺へ。平安後期の作なんだそうですが、穏やかなお顔だちで腰のくびれが深く線が細い仏さまでした。そこで公演の成功をお祈りして、急ぎ養父神社へ。
 境内に入って辺りを見回して感動!!そしてちょっと怖い!
          

 養父神社と観月の夕べの巻
 
厳かな雰囲気の漂う誰もいない境内に存在をアピールしていたのは、はじめて見る形をした狛犬でした。お尻を高く突きだして今にも飛びかからんとばかりに躍動感のある姿。カッコイイ!顔もなかなか凛々しくていい!養父神社は、延喜式の式内大社で天平9年(737)但馬正税帳に名を連ねる古社だそう。社は出雲系のつくりで、先端には不気味な鬼瓦がある。これが怖い。その時間、空が曇って時雨ていたことや異様な静寂に包まれていたこともあって、とても怖かった。でもすごく気に入りました。荘厳なたたずまいの境内は、もうすぐ紅葉で真っ赤に染まることでしょう。
 そして夜、いよいよ観月の夕べへ。資料館での恒例の秋の宴に、
近在の方々ややこどもたちがたくさん集まってきました。こどもたちは最後に出る月見だんごを心待ちしているようでした。場内は、和ロウソクで灯をともされ、秋の花が飾られて、江戸時代の頃からの味わいをより一層引き立たせていました。私は、里・秋・月をテーマに篠笛を吹いていきました。養父町をめぐって感じたこと。それは遺跡に行ったことや、やぶ医者の語源を聞いたりしたことで、いにしへを回顧する、といったことでした。大陸から渡ってきた人たちが、大和の国(今の奈良)を見て、まるで自分たちの国のようだと懐かしみ愛しみ、ナラ(ハングル語で国という意)と呼んだという話しがあるそうです。その頃の大和の地とそこに生きた人たちを想って創った曲『ウリナラ』を演奏しました。また秋の曲を笛と一緒に口ずさんでもらったり、四国高知のそえみみず峠で創った『峠越え』を手拍子をもらい演奏させていただきました。
宴の最後には、篝火と山の向こうから顔を出したお月さんが里の秋を静かに照らしていました。とてもいい夜になりました。

A. HPを見て養父町役場の方からご解答がありました。ここに紹介します。
養父神社の狛犬 についてですが、変わった狛犬はオオカミです。養父神社本殿の背後にある山野口神 社の祭神がオオカミであるといわれたり、神の使いがオオカミであるともいわれてい ます。昔は、年末の祭りとして麻で作った首輪をもって目隠しをして拝殿に入り、前 年の首輪と取り替えていたようです。
  
    ほお〜

民俗資料館は・・
 元々は庄屋さん(長島家)邸でした。1743年 江戸時代中頃に建てられ、明治初期にも増改築を加えられ、今なお養父町の民俗資料館として現存している建物です。広い敷地は土塀で囲まれ、建物空間・構造・石垣など、当時の生活をうかがうことができます。土間、台所、奥座敷をコンサート会場にして、落ち着きのあるたたずまいの中、秋にしっとり似合う美しい笛の音が響きます。月見だんごも振る舞われ贅沢な秋の夜になりそうです。
養父町には・・
 やぶ温泉、
古い街並みがある養父市場 、古代の歴史を感じさせる大藪古墳群、石ケ堂古代村、そして山河の美しい自然があります!かなり興味が湧いてます!養父町を訪れる時は養父町役場が発行している養父町をたのしむマップを手に入れて散策しよう!   

* 2006年現在は、市町村合併で養父市になりました。養父市HPはこちら
 

 養父町のヤブっていうのは?

養う父と書いて養父町。なんだか温もりを感じますね。このヤブなんですが、兵庫県の養父町周辺には養父群、養父郷、養父市場、大藪、上薮崎、薮崎などヤブの地名を負う地域が多くあります。ヤブといえば、薮医者のヤブを連想しますが、お訊ねしたところ、やはり関係がありました!!薮医者のヤブは但州養父の、この辺りを指すそうなんですが、驚いたことに・・・元々、薮医者の意味は名医のことを表しそうなんです!ええー!?今とは全く反対 ですやんっ 
  本来の意味としてきちんと使われていたのは、遠い昔の頃のようです。松尾芭蕉のお弟子の許六が1707年江戸中期に書きまとめた「本朝文選」の中で俳人ぶん村薮医者解という見出しで、そのまちがいを指摘しています。遠い昔、但馬の養父で治療を施していた名医がおり、その腕前は、死を起し生をかえすくらいの効能があったという。その名医の噂を聞き、
貧しくはやらない医者が名声にあやかろうとして、自分を薮(出身)の医者だと偽り、山野の薮から草木を調剤して、一時流
行はしましたが、結局、医術のまずさが知れ渡り流行らなくなった。そういった輩が多くいたのか、世俗には本来指す意味とは逆に、医術の未熟な医者を薮医者と呼ぶようになってしまった、
という事なんです。
へえ〜 面白いな〜 それとヤブという言葉自体、どこから来たのか気になっています。もしかして古来日本に文化を伝えた新羅や百済の国に関係があるのではないかな?とも思います。今度、ハングルの先生に聞いてみよーっと。

 

   6 月 13 日 (金), 14 日 (土)
    〜 金沢 百万石まつり 〜
  兼六園金沢城公園ライトアップ
   19時〜 20時〜(両日共)  
      
    
 利家とまつで有名な金沢で毎年行われる百万石まつり。
2日間に渡り、さまざまなイベントがおこなわれました。恒例の百万石パレードには、 今年は加勢大周さん扮する利家が 行列の人気を集めていました。
 兼六園と金沢城のライトアップは、なんとも幽玄な世界で金沢のいにしえを感じることしきり。”伝統ある古い街”その魅力に光をあてて金沢城と兼六園は、百万石まつりを彩る黄昏の舞台となった。今回は夜の野外での試み、
歴史を感じさせることや私自身が歴史のなかの一登場人物として演じきることを思って、衣裳を考えました。 兼六園の真ん中にある霞ケ池に和船を浮かべてもらい、夕暮れとともにしずしずと笛を吹き、静かに水面をめぐる。黄昏時に笛の音が霞ケ池に響きわたり、静寂のなかに篠笛の音色が情緒あふれて大感激と好評でした。でも私は霞ケ池での船上演奏を終えると大急ぎで金沢城へ・・・
  城内に特設された舞台で和太鼓ソロの演奏。霞ケ池とは趣を変え、史跡金沢城を背景に夜に飛び立つような和太鼓の音を打ちつづけました。夕暮れ時から夜にかけての演奏、それも野外での演奏はホールと違い”場”を特に意識するので、イマジネーションが巻き起こるといつの間にか
演奏にのめり込み、あっと言う間に時間が流れ去ってしまいました。
  


                                     撮影 竹屋 一

滝本ひろこの 金沢 談義    

 9年ぶりの金沢。あの時は金沢城がまだ金沢大学キャンパスでした。歴史ある街で去年の大河ドラマの舞台。
私はあまり見られなかったけど金沢の歴史が少しは理解できた。私が住んでる碁盤の目の京都と比べると大きな道が街のあちこちにある感じがして街路樹が印象に残る。まあ、今回は香林坊・金沢城・兼六園しか訪れられなかった。だから緑にあふれた綺麗な街で歴史背景が豊かな場所、時間があればもう少し街のなかを探訪してみたかった。ウーン、でも夜の香林坊にはさまよい出た。交差点にいると客引きの人がすごいっ!のべつくまなく声をかけてくる。京都ではこんなことないのでビックリ。ちょっとついて行ってみようカナとも思う。アカンヨ。私は今回お寿司がすごく食べたくって、金沢のお薦め寿司屋をいろんな人に聞いてみた。でもお店に行ってみると観光客相手の店構えと私を受けつけてくれない・・街の人がフラっと寿司でもつまもうかと入っていくような、そんな店が私もいい!狭い路地をぐるぐる何度も廻って三角の寿司屋に入った。飲み屋の人が仕事帰りに立ち寄るきさくなお店、地元の寿司ネタもたくさんあって、なごめる!ウーン金沢の魔力だ。
  もうひとつ、城下町であった街はどこでも茶道が盛んだったみたいで和菓子がおいしい気がする。兼六園での待ち時間に差し入れていただいた和菓子 こしあん饅頭のあまさが絶妙。手間暇かけてつくる日本の和菓子を池をのぞむ内橋亭に腰掛けて食べるのは優雅な気分にひたらせてくれます。今回のライブイベントを手伝ってもらったのはボランティアの人らしく雨のなか観客の案内など駆け回ってもらったみたいで、ありがとう。手間ひまかけて創るイベントは楽しいもんね。。。
手間ひまか



                   
雨の兼六園  photo 竹屋 一

 

 

田中邦彦 製作『チベット難民』
       ドキュメンタリービデオ英語版完成。

http://www.10system.com/
滝本ひろこ オリジナル曲「春恋し」「微かな光」「遥かな道」「嘆き」「安らぎ」がBGMに挿入されています。日本では余り関心が低いチベットの状況について、たくさんの人に現状を知ってもらう為、このビデオの上映会企画をお願いします。(日本語版あり)販売もされているので見てもらいたいです。

*オリエンタル管絃楽団デビューコンサート
〜此処より日出る〜新しい東洋の響き 京都コンサートホール
日中国交正常化30周年記念公演
コンサート編成 
笛子、篠笛, 高音笙、中音笙、低音笙、揚琴、筝、三味線、胡弓、二胡、中胡、低胡、大胡、打楽器、声楽。
指揮者1人,奏者26 人
 
         

                 
11月16日、京都コンサートホール(小)で開かれたオリエンタル管絃楽団のデビューコンサートは、ほぼ満席。 ものすごく響くんですね。音を出してみて、音が通るのが実感できて感動しました。
  今回私は、『大津絵幻想曲』『黄土地』を含む7曲全曲を演奏し、篠笛のほかに笛子(中国笛)にも挑戦しました。
コンサートに出てきた様々な音で印象に残っているものを紹介します。
 『飛天』という曲のなかで、口笛という小さい竹でできた楽器が出てくるのですが、その音の見事なこと。まさに天空から天女が舞い降りてくる様です。『黄土地』で使われた筝の乾いた音。弦を殺して、ガッと弾いてました。響かせる奏法と音をきる奏法で全く音の印象が変わります。同じ『黄土地』での大胡の乾いた低音。ザザーッと砂嵐が舞うかの様でした。『大津絵幻想曲』の胡弓と鉦の哀愁に満ちた音。
  聞きなれない音色を出す楽器がいくえにも重なりあった演奏をし、厚い音楽が会場に満ちて流れていきました。譜面を追う私とは違い、聞きに来られた観客の皆さんはいたく満足され、新鮮な体験をしたと感激されていました。それほど良かったんだったら私もゆったりと前から味わって聞いてみたいと思いますが、でも私は奏者。やっぱり音を奏でるほうが好き。
 
 11月3日
 『風来音 まほらライブ』 in 木野祭
         
和太鼓ユニット (滝本ひろこ、山内利一、川原崎能弘)まほらのライブ。『KINOAWAKE』というHAPPYな曲でノリ弾けました。まほらのテーマからはじまりオリジナル曲6曲で構成。
太鼓、打楽器、笛をつかってまだまだいろいろ遊べそうです。
   
北野天満宮 神楽殿

10月20日『西陣夢まつり』イベントで北野天満宮 神楽殿にて風来音デュオ(滝本ひろこ、山内利一)が出演。当日の夕刻は小雨まじりの天候にもかかわらず、たくさんの人がじっくり聞いてくださいました。 出雲の阿国が北野天満宮の境内で京都に来てはじめて踊ったとされる由縁の地で演奏できるということが、同じ芸をたずさわる者として大変光栄に感じる舞台でした。
        
        

                      曲 『光の道』  神楽殿にて 

 

 

 5月25日 ART MAPイベント
 『モーア氏の庭』 in ギャラリーPrintz
         

     
画家 小本章さんと詩人 萩原健次郎さんとのアートコラボレーション

以前、モデル、声楽家、詩人とのコラボレーションはあったのですが、画家、詩人との三つ巴セッションははじめてでした。口火をきった詩人の詩が難解でどうそれに応えるか頭を痛めましたが、それぞれに楽しんでやろうというお約束だったので フワフワと流れに漂っていきました。ちなみに萩原さんの持ってきたテーマは「空疎系について」と「 生きている水と死んでいる水について」 であった。
私は小本さんの絵を見て、水、緑、陽光、鳥、木、風を心に描きつつ、詩の言葉から感じられる世界にも漂流していった。あっと言う間の心地よい30分。
 


神出鬼没ライブ
京都が紅葉まっ盛りのある11月のお天気の日、
時代劇でよく撮影場所に使われる、木津川のながれ橋、
モミジで有名な東福寺の 通天橋、四条河原町の3ヶ所でライブ演奏してきました。 東福寺と河原町での反響は とても良かったです。
東福寺は眺めが最高で、なんとも気持ち良かった。 河原町では 手をたたいて踊るおっちゃんなんかがいました。そういう場でのライブはこちらも興奮しますね。

 

ギャラリーパフォーマンス

9月29日 中川周士 彫刻展 「凱旋軌道」 ギャラリーprinz
鉄・
作家 中川さんの作品は、存在感が強くて力強さを感じる。鉄だからこそダイナミックさが表現できるかもしれないけれど、鉄なのに温かみがあって、自然との景色と融合する広がりがある作品群を 私はとても好きだなあ。

作品「熱き風は海を渡る」の前での演奏。作品タイトルは知らなかったのだけど、
偶然にも海を渡ってくる「アジアの風」をイメージした曲を演奏したので 後で聞いてビックリした。



9月25日 T-BOX TRAIN 7 ギャラリーすずき
       作家(護嶋 春水、末盛 徹、田辺 修、関 奈穂子、高橋 恒太郎)

関東と関西の結び目として、それぞれ活躍中の作家が 全国各地で紹介されているT-BOX TRAIN。
京都会場、ギャラリーすずきでのオープニングPartyでのミニライブ。















研ぎ澄まされた緊張感とやわらかいブルーのイメージ。これも作品とのセッションなんだと思う。

 
婆佐羅NIGHT ライブ
9月2日 ベリーダンスとのコラボレーション、婆佐羅NIGHTにゲスト出演する。
ロウソク10本を頭にのせ登場したキャンタブラをはじめ、剣をつかったダンスなど、あっと驚く婆佐羅な趣向で観客を沸かせる。和太鼓・笛のソロ演奏、そしてベリーダンスとのセッション(曲 BASARA,ユーフラテス、艶)
笛とダンスとのセッション曲に仕上げたユーフラテスは、イメージも雄大に流れる母なる川と大地をうたったのだけど、ダンサーYuumiの素晴らしく派手な衣裳に観客も度肝を抜かれた様子だった。
 曲線的色気(yuumi)
と直線的男気(私らしい・・)が対極で面白いパッションが生まれたとの感想があったが、私はセクシーに表現しようとしたところもあるんだけどなあ・・

photo.丸山 晃
 
KBS京都ラジオ出演
8月22日 KBS京都ラジオ出演  森脇健児さんがパーソナリティの京都ごごいち 水曜日の新人名辞典というコーナーに呼ばれ、15分ほど話しをする。先日出演した日韓漫画祭の時にお会いした、夏山聖樹さんからの ご紹介により実現した。 話すのは余り自信がないので、放送作家の佐々木さんに太鼓演奏の許可をいただき、スタジオに 太鼓を運び入れる。スタジオは思っていたより案外広かった。テレビで高校野球中継までやってる・・(実況中継でもやるのかな?) 人も結構出入りしているし、もちょっと堅苦しいところなのかなーと思っていたのに和やかな雰囲気 が漂っていた。 おはようございます!と挨拶をすると森脇さんをはじめスタッフの方々があたたかく迎えてくれた。 紹介をされ、太鼓演奏は90秒と聞いていたので、それ用に考えていたものを叩きだす。 始めの一発で、えっ何!?という感じでックリされた。演奏が済んで、私のプロフィールやら今までの活動の中味、そして現在、これからの夢などについて 話しをした。森脇さんが、ひとりはさぞ大変でしょう?これでやっていこうと決心された時というのは どうやったんですか?と熱く聞いてこられたのでおかしくなってしまった。パンフレット作ったり大変でしょ、とかクールファイブと前川 きよしさんの時だって勇気がいったやろなーってビックリしましたもーん!と具体的な話しで返されるから自然と笑いが出てしまう。『今でもドキドキするし怖いですよ、でも 団体とはちがって個人だから出来る良さなんかもある』という話しをした。
  最後に、座右の銘を聞かれて『和太鼓で世界をHAPPYに!』と答えた。あっと言う間すぎて、うまく自分の 思いが伝わったかどうか自信ないけれど、爽やかな15分だった。そう言えば、中学時代はミニFM局を友だちとやったりしてDJになりたい!なんて事も思ったんだっけ。なつかしーな。
 
 

World(ワールド)マンガ展 交流記念パーティー

ワールドマンガ展は7月29日から8月3日まで京都精華大学で開催された。
 参加作家は韓国側:パク・チェドン、キム・ヒョンベ、ゾ・ガンゼ、タク・ヨン、ソン、ムンサン、キム・キョンス、シン・ミョンハン、キム・ビョンス、コ・ギョンイ 先生他。日本側:森田 拳次、クミタ・リョウ、ウノ・カマキリ、小澤 一雄、矢尾坂 賢吉、いわみ せいじ、夏山 聖樹、横田 吉昭、牧野 圭一、杉本 昭義 先生他。
 この夏、靖国参拝問題や教科書問題でアジア諸国との関係が緊迫したものになっている中、私はこの催しが幾多の壁を乗り越えて開催される事を新聞で知った。
来年行われるワールドカップを記念して、さまざまな交流が計画されていたのに中止になったりしている矢先だった。私も、アジアをテーマに活動をしていきたいと思っているのでワールドカップは交流を広げる良い機会に考えていた。
お隣の国なのに一番遠い国、そんな風に言うだけなのはもう嫌だ。自分独自の交流をしていきたい、と思い考えている時にパーティーでの演奏依頼があった。
 パーティーには作家の先生方が出席され、なかには木川 かえる先生の姿もあった。その面々の前で自分が演奏をする。反日感情が強まるまっただ中で・・・公演前夜、いろいろ考えると正直気が重たくなってきた。演奏前には簡単に挨拶をしようと思っていたので、何を話すか考えると、内容が深刻になってくる。結局、上手くまとまらないまま、当日になってしまった。パーティーは夜7時からで、演奏は8時くらいという段取りだったので準備を始めだしたが、会場へ向かう途中から、胸のあたりが苦しくなってきていた。こんな風に体調が変化するのも珍しい。
  まず、朝鮮琴の演奏があって、韓国民謡、そして和太鼓であった。上手く話せる状態ではなかったので、紹介を受け演奏へうつる。余談だが、『韋駄天』という自作の曲を演奏する前は、いつも合掌をする。韋駄天さんの格好は、剣を持って合掌している姿なんだけれど、合掌の時には祈りを捧げている。この時もやはり平和への祈り。
 演奏が始まると、それまでの雰囲気とは打って変わって、会場にいた皆がこちらに集中して身を乗り出して聞いてくれた。途中、手拍子、声援までも飛び出して、私も嬉しくなって自然と笑顔になる。こんなに反応してくれた事自体驚きだった。この瞬間、歴史や国を飛び越えて一体になれたような気がした。あたたかい拍手をうけて演奏が終わると、一番にかけ寄ってきてくれたのがパク先生だった。色紙に私の似顔絵を スラスラと書いてくれた。光栄にも似顔絵を書いてもらうのは、その時が初めてでした。そして南先生にも演奏している姿を書いていただいた。その後、パーティーに加えていただき、たくさんの方たちと話すことができた。韓国の女性打楽器奏者とのセッションの話しや韓国においで、という話しも飛び出し、間違いなく、日韓交流の第1歩になった。
 





2000年2月 TAKI アフリカへ行くっ!
 
  『和太鼓で世界をHAPPYに』
 99年夏「アフリカに行かせろー!」と叫んだ甲斐あって、めでたく私はアフリカの風に吹かれることになった。アフリカでは熱いものをいっぱい感じてきました。アフリカ3ケ国(セネガル・ガボン・カメルーン)での9公演のうち、学校公演はセネガルで2校、カメルーンで1校行った。今、アフリカのこども達の65%しか学校に行けないという。初訪問したセネガル・ダカールの学校は、小学生から高校生まで全生徒数約1800人。そのうち演奏を見てくれたのは300人程だった。この学校では公用語であるフランス語で授業を行っている。これまで日本のこどもたちに和太鼓に触れてもらった事は数百回あったけど、はたしてアフリカのこどもたちは、どんな反応をするんだろう?ちゃんと見てくれるんだろうか?

 2月のこの時期、ダカールはサハラ砂漠からの大量の砂が風にのって飛んでくる。ホコリっぽいのはそれが理由か。舞台はというと「えっ!ここ!」と少しビックリ。校舎と校舎の間にあるちょっとしたスペース(野外)だった。でも「0K?」と聞かれて、既に全員が「やりましょう!」という気分になっていた。太鼓のセッティングをしていると、はやくもこどもたちが興味ありげに様子を窺っている。「サヴァ?」(元気?)と声をかけるとサヴァビヤン」(元気だよ)と嬉しそう。街なかで見かける日本の車や製品は珍しくなくても、実物の日本人、ましてや和太鼓なんて超珍しいのだ。放課後での自由参加にもかかわらず、押し合いへし合いしながら、今か今かと待ってくれている。あっという間にセッティングを済ませ、いよいよ本番。タルさん(セネガル大使館現地職員)のハイテンションな挨拶を受けて、こどもたちも「こんにちわー!」と日本語でオウム返しをしてくれた。

 「イッキー」(曲名)という力の入った紹介で演奏が始まると一気に興奮した様子で 「わああー」と盛り上がる。ビートを感じさせるリズムは、みんなをすぐ夢中にさせた。驚いたのは、リズムが変速してスローになった時、それにすぐ反応して、裏拍に「ンァーッ」と声を入れてリズムを感じている。こんな事は初めてで「やるなー」と感心したのと同時に「アフリカに来たんだー!」という喜びで血が熱くなった。めちゃめちゃいい! こども達の瞳は、まっすぐでキラキラ輝いている。真っ白な歯が目立って、これ以上ないくらいの満天の笑顔。私が目をあわすと、「うん、見てるよー、いいねー」って感じでほほ笑み返してくれる。現地グループのフォレサクレィとセッションした時も最高の気分だったけど、この瞬間も「やってて良かった」と感激した。
そして、盛り上がった挙句のアンコールは凄かった・・・(以下、そのやりとり)
タル: 楽しかったかー?
こども: ウィー(イェーイ)
タル: もう終わってもいいかなー?
こども: ノーン (ダメー)
タル: みんな、もっと聞きたいかー?
こども: ウィー(イェーイ)
タル: マツリシュウ!
こども: マツリシュウ!
タル: アレー(盛り上がれー)アレー(踊りまくれー)
こども: ウィー(イヤッホー) 

と舞台になだれ込んできてもうハチャメチャ。「何回やらすねん!!っ」と心でつっこみながら、その激しい要望に気持ち良くなって「こうなりゃあ、気が済むまでとことん使いやがれぃっ」とヘロヘロ寸前で開きなおった。ただひとつ心配だったのは、その騒動のなかでバチやら楽器やらがなくなりはしないかとという事だった。お願いだからバチを折らないでね・・・。メンバーのひとりは、締め太鼓をソローッと、持って帰ろうとするこどもと目があって ニッコリしたとか(笑 すごく重いのに)アフリカで出会ったこどもたちの笑顔は最高!
汗まみれ、砂まみれになったけど最高に面白かった。
 帰り際、学校にある平和の壁に、メッセージを書いてくれと頼まれ、サインした。アフリカの大地で、音楽を通して人々と交流できる。言葉が通じなくても、太鼓で笑いあう事ができる。今の私からのメッセージは『和太鼓で世界をHAPPYに』。アフリカでの体験は、人との出会い、心に大事なものたくさんもらいました。本当に皆さん、ありがとう。かならず、アフリカへ戻ってくる事を誓って帰京しました。
  これから私は、アフリカの熱さやパワーを出して頑張っていきます。
滝本ひろこ